僕はただの一生徒だったのに

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「それで、私の家の図書室のコントロールパネルで術式検索したんですが、あてはまるものが無かったんです」 「じゃあ、僕は二度と戻れないッスか……?」 どんどん不安になってくる。 一生このままなんて、そんなの嫌だ。 「その可能性が無いとは言い切れません。ですが、戻せる可能性が無いとも言い切れないのもまた事実。諦めずに行きましょう」 「そ、そうッスね」 先輩は、諦めていない。 なのに、僕がすぐに諦めてどうするんだ。 「それで、私の図書室には無かったので、学園の図書室に行こうと思うんですが……。オルタ君をどうしましょうか」 「僕はあんまり行きたく無いッス。クラスの皆に弄られること請け負いッス。絶対姉貴にバレて弄られるッス。嫌ッス」 「そうですか」 そういうと、先輩はリビングを出ていった。 僕は内心ホッとした。 弄られるのは、正直勘弁だった。 ぎゅむ。 「え?」 僕はカバンに詰められていた。 「では、行きましょうか」 「ど、何処にッスか……?」 超絶笑顔の先輩。 嫌な予感しかしない。 「もちろん、学園です♪」 「嫌って言ったじゃないッスかぁぁぁぁ!!」
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