1章:運命の出逢い

55/56
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
 すると、10分もたたずに誠が走ってやってきた。思わず立ち上がった葵を見つけると、笑顔を浮かべた。額にはびっしりと汗をかいていた。 「よかったね」  葵は、バックからハンカチを取り出して渡す。初対面の時のように―― 「あはは、ありがとう」 「――後藤透子さんがアパートまできてくれたんです。これからだけど、頑張りたい」 「うん」  輝いた表情の葵を、誠は優しくまっすぐに見つめた。 「ーー葛原葵さん」 「はい……」
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!