0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あけぼの団地辺りに行けば民宿があったはずだからタクシーかあの中学校に行ってスクールバスにでも乗せてもらうかのどっちかだ」
「そうですか…とりあえず中学校に行ってみます」
「そうかいきいつけてな」
「ありがとうございました」
旅人は軽く頭を下げた後、人形を少し見つめると手を振られた気がして再度人形を見つめた。
「こいつは人を驚かすのが好きだから」
店の人は笑いながら人形を撫でながら言った。
「本当に命があるんですか」
「んだ、最初に言ったべこの町の人形はみんな生きてるんだって」
「はい…でも」
「たとえ話か言い伝えだと思ったべ」
また旅人が言い終わる前に店の人は言った。
「何でそんなに俺の言いたい事が解るんですか」
「まだこの町が誰もが入れる時はみんな信じようとしなかったからね」
「昔はこの町が行き来できてたんですか」
旅人は思わず身を乗り出して聞いた。
「昔の事さ…ほで早く行かないと学校終わってしまうぞ」
「は…はい」
旅人は再び店の人に再度頭を下げて中学校にむかった。
「ずいぶん広い感じのする校舎だな」
「あの…どなたですか」
旅人が振り向くと小さな体をしたセーラー服を着た女の子が居た。
「あっ、俺黒木竜って言うんだ」
「…私は谷内瞳です、あなたが旅人さん…」
「ああ、こっちではそう呼ばれてるよ」
「どうしてこんな所に来たんですか…」
「さっき青山慧くんにこの中学校を教えてもらってそれで興味がわいて来てみたんだ」
「そう、ならついて来て…」
「あっ、ああ」
「この中学校…監視カメラが設置されてるの…」
「なんでそんな監視カメラなんてあるんだ」
「昔、変な人に襲われた生徒が居たのそれいらいつける事になった」
「生徒を大事にする学校なんだな」
竜は改めて校舎を見ながら呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!