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ガリやんと言うあだ名の由来は、兎に角、良く勉強をするからだった。
ガリ勉のガリをとって、やんはただの語呂合わせだった。
そんなガリ勉のガリやんは、それでも頭が悪かった。
オレやまっちゃん、小吉は殆ど勉強という勉強をしたことがなかったのに、ガリやんより、いつも成績は良かった。
「何が幼稚なんだよ!ガリやんは頭悪いんだからさ、インテリぶらないの」
仕切屋のまっちゃんが皮肉とも取れる冗談に、小吉と笑いあった。
「しっ! 声がデカすぎるよ」
ビビり屋の小吉が急に笑うのを止めて、人差し指を唇に当てた。
「何だよ急に、小吉だって笑ってたじゃんかよ」
俺は小吉に向かって、シラケさせるなよと言った感じで言った。
「うん、真夜中に大きい声を出すとさ……、あれだから……」
小吉が囁く声で意味深な事を言った。
「何だよ、あれって!」
まっちゃんがワザと大きな声で小吉に言う。
「だから、まずいって言ってるだろ!」
小吉はテントの中をキョロキョロ見渡すと、まっちゃんに向かって、小声で言った。
小吉は明らかに、怯えていた。
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