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まっちゃんの足元に置いてある黒い目覚まし時計が、三時半を回りかけていた。
「とっととやろうぜ!」
まっちゃんが、皆を急かした。
「……わかったよ」
俺を含めて余り乗る気がしないガリやんと小吉も渋々返事をした。
まっちゃんがリュックサックの中から割り箸を取り出して、ボールペンで割り箸の頭に番号と王様のマーキングをした。
いよいよ真夜中の王様ゲームが始まった。
王様の命令も、初めはたわい気もない事からスタートした。
Aの初体験での体位とか、BのおでこにCがキスをするとか、四人で笑い合った。
ビビり屋の小吉も怖さを忘れているようだった。
「オレなかなか王様に当たらねぇや、殆どマサルばっかやし」
言い出しっぺのまっちゃんが まだ一度も王様になっていないせいか、些か不満そうだった。
まっちゃんが言うように、この日は運がいいのか、俺が殆ど王様を引いていた。
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