225人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
「噂?」
あっただろうかと首を傾げる。狩野さんは口を開いた。
「水無月さんって、なんて言えばいいのかな……。あ、あれだ。オカルト好きなのよ。だから、怪しい本とか何冊も読んでて。それで、この学校の七不思議を面白そうに人に話しているのよ。」
「なら、さっき私が言われそうになったのって、それ?」
狩野さんは頷いた。
「もう、何人も被害にあってるらしいんだ。だから、間に合ってよかったよ。」
「でも、七不思議なんて何処にでもあると思うけど…。」
そう言うと
「違う。この学校の七不思議は…っ、なんでもない。もう遅いし、帰ろう。」
一瞬、狩野さんは顔を歪めた。
憎しみと悲しみが入り混じっていた。
最初のコメントを投稿しよう!