水無月 深雪

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「噂?」 あっただろうかと首を傾げる。狩野さんは口を開いた。 「水無月さんって、なんて言えばいいのかな……。あ、あれだ。オカルト好きなのよ。だから、怪しい本とか何冊も読んでて。それで、この学校の七不思議を面白そうに人に話しているのよ。」 「なら、さっき私が言われそうになったのって、それ?」 狩野さんは頷いた。 「もう、何人も被害にあってるらしいんだ。だから、間に合ってよかったよ。」 「でも、七不思議なんて何処にでもあると思うけど…。」 そう言うと 「違う。この学校の七不思議は…っ、なんでもない。もう遅いし、帰ろう。」 一瞬、狩野さんは顔を歪めた。 憎しみと悲しみが入り混じっていた。
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