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近くにあった佐伯さんのワイシャツを羽織ると、一瞬触れるだけのキスをしてバスルームに向かった。
さっき説明してもらったお陰で、間違うことなくバスルームに辿り着くことが出来た。
そう、あの時には既に作戦に嵌まっていたのだと気づかされた。
「とって食おうってわけじゃないなんて嘘ばっかり」
シャワーを浴びて出ると、Ｔシャツとスエットとふかふかのバスタオルが用意されていた。
着替えて寝室に戻っても佐伯さんの姿はなくて、リビングにも人の気配はなかった。
廊下を見渡すと、書斎だと説明された部屋の、ドアの隙間から光が漏れている。
トントントン。
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