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耳元で囁かれて決心が鈍りそうになる。
爽やかな顔をして意外と強引な佐伯さんに、今日は翻弄されっぱなしだ。
「でも……」
「友達が気になるんだっけ? ……わかったよ。でも明日また来て、約束」
勝手に約束して寝室に誘うと、さっき着ていたジャケットから鍵を取り出し、私の手に握らせた。
「これ……」
「うちの鍵。それしかないから、明日合鍵作ってきて」
にっこり笑顔だけど有無を言わせない眼差しに、うんと言わざるをえない。
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