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もう一度ゆっくり唇を合わせる。
名残惜しく思いながらゆっくりと唇を離すと、鍵を握りしめてマンションを出た。
「やばい、嵌まった……」
静かなリビングにこぼれた佐伯さんの呟きは聞こえない。
翌日、ショッピングモールに行くと、合鍵屋? の看板が目に入った。
ただ看板を見ただけで心臓がドクドク音をたてる。
周りに聞こえているんじゃないかと心配になるほどのドキドキに、頬が赤く染まるのがわかる。
何度も合鍵屋の周りをうろうろし、迷いに迷ったあげく、とうとう佐伯さんの部屋の合鍵を作ってしまった。
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