放送室とキミ。

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馬鹿。愚か。 私は自ら行きたいと願ったはずなのに、 彼と綾が会う場面に立ち会うことに躊躇してしまっていた。 「蓮、いる??」 吉野くんの教室から顔だけ出して彼を探す綾。 「綾…!!」 吉野くんの顔はみるみる恋色に染まっていった。 「先生のとこ、 一緒に行かない??」 「俺、なんかやらかしたっけ??」 自重混じりの彼が愛しい。 彼の愛が一身に傾けられているのは知っている。 ……その相手が綾だとも。 「違うよ~生徒会のことで。 ねー美沙、蓮は呼ばれないの??」 私はどうするか迷ったが、 結局首を横に振った。 彼がいたら、私。 《無理》だもん。 ………………あは。
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