桜とキミ。

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目を細める彼の横顔に、 私の心臓がトクンと鳴る。 「圷、美沙。 1年A組だから、よろしくお願いします」 私はその瞳に耐えられず、 早口で自己紹介する。 「知ってるよ。 ──俺は、吉野 蓮(ヨシノ レン)」 散ってる桜を手に集め、 フワッと私の頭からかける。 こんなベタな恋愛漫画、どこかにあったよな──… そんなことを考えながら、 瞬間の桜を愉しむ。 「またね、美沙ちゃん」 桜みたいなキミ。 私がキミに最初に出会ったのは、 このときだったよね…
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