9689人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺達は今日の球技大会であいつに復讐することを……」
「うっわ、長くなりそうでめんどくさ。つーか、要点だけ言え」
こっちは二度寝の準備万端なんだぞコノヤロー。
岸辺君(?)は俺の言葉を聞いて「そ、そうだな」と頷き、シリアスな顔つきになった。
ていうことは、このお願い事は面倒臭いとみた!
「バスケの助っ人として試合に……」
「やだ」
俺は徳永君(?)の言葉が終わる前に拒否してイヤホンを耳に装着し、窓の外を見た。
一瞬、シリアスな顔から何が起こったかわらかなそうな顔をした山口君(?)は数秒で状況を理解したらしき、みるみると絶望した人みたいな顔になった。
うん、表情豊かだな。
「なんでだよ!?なんで拒否んだ!?」
iPodのスイッチが入っている訳ではなく、草津君(?)の声がちゃんと俺の耳に届いていたが、面倒臭いので聞こえてない振り。
「くっ、シカトしやがって……」
諦めろ諦めろ。今の俺はテコでも動かんような気がしないでもない。
「こうなったら強制連行だ。みんな、やれッ!」
『おうッ!』
えっ?と思ったのも束の間、急に体が浮いた。何事かと下をみたら数十人の男子が俺を担いで移動している。
わー、人間神輿だーわっしょいわっしょい。
腕、胴体、足と体全体を掴まれていて身動きができないため抵抗する気が起きない俺は心の中で一応叫んでおいた。
拉致られるー。
最初のコメントを投稿しよう!