影キャラ作りの第一歩

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俺は察した。 この会場(体育館)に何故これほどの人数が集まっているのかを……。 理由は先程述べた決勝だからって訳ではなかった。 よくよく考えればバスケ以外にもサッカーや野球といった他のスポーツの決勝もあるだろう。 相手チームをちらりと見る。 やっぱりな……、美男美女だけのチームだ。 ここまで言えば皆さんもお分かりいただけるだろう。 そう、観客達はこいつら目当てでここに集まったのだ。 「あのチームは颯人とその颯人のハーレムで構成されている。 颯人だけでもやっかいっていうのにあの赤髪、朱池朝日(アカイケ アサヒ)と青髪の蒼木瑞穂(アオキ ミズホ)も女子とは思えない常人以上の運動神経だ。 で、司令塔が学年一位の頭脳の持ち主、桃髪の桃井桜(モモイ サクラ)。そして、唯一の常人で至って普通な茶髪の鈴木和葉(スズキ カズハ)。 どいつもこいつも侮れない完璧集団だ」 うっわぉ、ハーレムとかあのイケメソ君、本当にラブコメの主人公みたいじゃん。 つーか、髪の色と名前が似ているな。鈴木さんは地味って意味の方向で……。 うーん、覚えやすいやー。覚える気はミジンコの餌並みにある気がする。 そんなボーッと相手チームを見ている俺に今までの中の一番真面目な顔で長谷川(?)君は話を続けた。 「この試合は俺達の全てをかけた大切な試合だ。あのハーレム達が颯人に羨ま…あっいや、如何わしい行為を我慢して一年とちょっと。 そろそろあいつに恨み…じゃなくてお灸を据えたいと思っている。 あわよくば、あのハーレム達を颯人から奪……目を覚まさせようとも思っている。 頼む、月島。ただお前はコートに立っていればいい。俺達に協力してくれ」 そういって橋本(?)君は……いや、俺を体育館に連れてきた男子一同は一斉に頭を下げた。 そんな彼らを見て一言。 とりあえず、動機が下心丸出だな(笑)
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