影キャラ作りの第一歩

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「んっ!」 「……」 ボールが落下してくるや否、俺と春風は同時のタイミングで跳ぶ。 次の瞬間、体育館にいた者達は皆、驚愕の声を上げた。 「な、何ッ?」 そう、競り合いを制したのは俺。 春風より高く飛び、ボールを遠藤(?)君のいる方向に叩く。 俺が勝つと思っていなかったからかアホ面で呆気に取られていたが、ボールが飛んできたことによりすぐに我に返る村瀬(?)君は予定通りにボールを確保。 そして、着地しそのまま前に走っていた俺にパス。俺はゴールを狙う。 周りの人達は予想外の展開だったからか動きを止めていたのでゴールまでドフリー。 そう奴以外は…。 「ここから先は行かせないよ」 俺の前に立ちはだかるはご存知イケメソ君こと春風。 「まさか月島君が……あっ」 プレー中に話ができるのは漫画だけだバーロー。 んな訳で話掛けてきた春風をスピンで交わし、俺は高く跳んだ。 「ゴリラダーンク(棒読み)」 そして、某バスケット漫画の某ゴリの必殺技を決めたのだった。 そんな俺に喜びの言葉をかける者は無く、体育館中が静寂に包まれた。 コート上の選手達は敵も味方もポカーンと口を開け皆アホ面。俺はそんな奴等に指を指してこう言った。 「ここからはずっと俺のターンだ」 体育館を包んでいた静寂が大歓声に変わった瞬間だった。
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