影の脇役と巻き込まれ

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人生とは予想外の連続である。 両親の離婚、突然の交通事故、不意に患った不治の病、受験の失敗、大事な勝負に負ける、ここ一番で結果が出ない、その他諸々。 これら全ては唐突に起き、急激に自身を狂わせ、思いがけない結果をもたらせる。 誰もがいつかは味わう人生の予想外。 それを乗り越えるか乗り越えないかで未来が変わる。激変的に。 だが、それができたのは世界でも数人の1%だけ。 残り99%は、乗り越えられずに、現実を知り、絶望し、幼い自分の心をーーーあの大人になればなんでも出来そうな気がした気持ちが何とも馬鹿らしく、愚かなことだったと気づいてしまう。 なんとも悲しきことかな。 でも、まぁ、それは仕方のないことだ。 なにしろ世界は不幸で出来ているんだから。 幸福なんて一瞬で、絶望だけは死神のようにいつまでたっても這いよってくる。 トラウマになって、一生忘れられない傷になって自分の心に残ってしまう。 プラスなんて数人で、その他大勢は大なり小なりのマイナスだ。 人生はプラスマイナスゼロなんて、そう言えるやつほどプラスなのだろう。 夢なんて幻想で、叶うとは保障されない不確かな現実なのだ。 誰もがそれになりたくて、けどなれるのはほんの僅かで。 そう考えてしまうとやはりーーーー世界は不幸で出来ているのだろう。
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