影の脇役と巻き込まれ

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関取さんと別れた後、心無しか蒸し暑く感じながら、帰り道をげんなりと帰っていた。 家に帰ったらエアコンつけよ。 冷房15℃くらいに設定して。 そんなことを考えて歩いていると、前方から形容しがたい珍獣集団が歩いてきた。 先頭を歩いている、紫リーゼントを筆頭にありとあらゆるカラフルヘアー軍団。 あかん。目を合わせるな。 目を合わせた瞬間、腹筋もってかれる。 俺は新手のメデューサ軍団に意識が行かないように口元を抑えながら彼らを横切ろうとすると、 「おいお前」 ……なんざんしょ。今日は厄日かね。 紫リーゼントさんがメンチを切りながらドスの聞いた声音で俺にストップを掛けた。 メンチ切るよりその頭に乗った紫のフランスパンを切った方が断然いいと思うね、俺は。 「おい何無視してくれとんねん」 いや、これは無視とかじゃなくてですね。あなた達の尊厳のために必死で笑うのに耐えているだけです、はい。 「……は、はいなんでしょう…か」 「そんなビビらなくてもええわ。別にとって食うわけやあらへん」 そうだな、その頭に乗っている紫フランスパンが非常食だもんな。 お腹空いたら齧れば良いだけだよな。 「ちょっとこの写真の男を捜しとるだけなんよ。お前さんと同じ高校の筈や。見覚えあるやろ?」 そういって出されたのが先ほどの関取さんに見せられた写真と同一のものだった。 だから俺はまたもやめっちゃいい笑顔で、 「知らないです。そんな見るからに主人公じみた爽やかイケメソ超人なんて俺は知らない」 「おおう。なんで急に真顔になってそんな説明口調なん?」 どうやら先ほどからやっていためっちゃいい笑顔は真顔へと変換されていたらしい。
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