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ピーーーーーーッ
審判からの試合終了の笛。
結果は36―37。
つまり、負け。
決めなければいけない所で、決められなかった奴は男子生徒諸君から集団リンチを受けている。
それを壁にもたれ掛かりながら座っていた俺は意識が朦朧としていた制かボーッと傍観しながら後悔していた。
何故、本気を出してしまったのか?
勿論、メロンパンの魔力の制なのは確かなのだが負けてしまってメロンパンが手にはいらないと気づいた時の後悔の念は相当のものだ。
よくよく考えれば三分間全力プレーは持つわけないだろ……。
だって俺運動部に所属していた訳じゃないし、趣味で体を鍛えている訳でもないんだ。
それに気づかなかったとは……恐るべしメロンパン。
あー、もういいや。
悩んだって過去に戻れる訳じゃないんだし。
どうやってこっから影キャラに持っていくか。
そう、これからのことを考えよう。
けど、疲れたから明日考えよう。
今日は休む。
頭がぐわんぐわんする。
とりあえず、授業はこれで終わりらしいから家帰って飯くって銭湯はいって寝よう。
明日は筋肉痛は確実だな。
そんなことを考えていた時にあるやつが俺に近づいていた。
「ははっ、お疲れだね」
……春風だ。
俺が座っているから見下ろす形になっているので仕方ないけどなんかムカつく。
元はと言えばこいつの制で試合に出なきゃいけなくなったんだ。
あー、はっ倒したくなってきたよ。
「今日は楽しかった。
あんなに熱くなったのは久々だよ。試合では勝ったけど個人では負けた気分だ。
君みたいな人が転校してきて嬉しい。
これからもよろしくね、月島君……いや、一平君」
笑顔で差し出された手をみて俺は思った。
あれか?真剣に戦ったから友達的な考えか?
本当に主人公みたいな奴だな、こいつは。
俺は奴の手に自分の手を差し出す。
そして、笑顔でこう言った。
「拒否」
勿論、中指を奴の掌に押し付けるのを忘れずに……。
そこから俺は意識を失った。
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