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後悔の念しか残らなかった球技大会の翌日。
天気は快晴。それとは裏腹に俺の気分は曇り時々雨。
その原因はと言うと…
「ちょっ、瑞穂!!あんた抱きつきすぎなんじゃないの!?」
「そういう朝日こそ。颯人が迷惑がってんのに気づかないのか?」
「二人共、ですよぉ。今日は桜が颯人の横ですぅ。今すぐに代わってくださいぃ」
「ちょっと皆! 私も入れてよ!」
「あぁもう! 歩きにくいからみんな離れてよ!!」
こいつらがいるからだ。
「何故こうなった……」
さっきからタメ息が止まらない。俺の憂鬱度は秒刻みで上昇中。
もう一度言おう。
………何故こうなった?
ちょっと回想に入って確認してみようかな。
「……なぁ月島?俺はどうやったらあいつみたいにモテモテになれるんだ?」
春風を羨ましいと言わんばかりの視線を送っている何故か顔を腫らした桑原(?)君の質問をスルーしつつ、俺は起床からの出来事を思い返した。
――――――――。
「……朝か」
低血圧な俺は目が覚めたのがホームルーム開始の30分前。
だが、俺は決して慌てない。
何故なら親父の配慮で学校へ徒歩10分で着く所に位置するマンションに住んでいるからだ。
グッジョブ親父。
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