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ラッシー君の言葉を訂正させるためにそろそろ口を開こう。
「"脇役"?おいおい俺が目指しているのは……」
いや、ちょっと待てよ……。"脇役"?
「何で途中で黙るのよ?目指しているのは…なんなの?」
"脇役"
演劇・映画などで、主役を助けと副次的な役割をつとめる役。転じて一般に、表面に出ない補佐役。(広辞苑参照)
つまりは吉川(?)君みたいな人。
脇役の対する言葉……主人公。
"主人公"
①主人の敬称。
②小説・脚本などの中心人物。ヒーロー・ヒロイン。(Wikipedia参照)
つまりは春風みたいな人。
ていうことは……
俺の頭の中ではスーパーコンピューターに引けを取らない速さの計算が行われていた。
「ねぇ、さっきから何黙って……」
「あっ!?」
「な、何よ。急に立ち上がったりして…」
俺は突然の俺の行動に驚いているラッシー君に視線を向ける。
「ラッシー君ありがとう。君の一言のおかげで今後の方針が決まったよ」
「え?あぁ、そう。それはよかったわね。何のことかわかんないけど」
興味なさそうな表情で見ているラッシー君を尻目に俺はドアに向かって歩いた。
「ちょ、ちょっと!あんたどこ行くのよ?」
「もう1限目が終わる。てな訳で俺は先に教室に戻るから程よくタイミングが絶妙の時間に来てな。では、グッバイ」
後ろに一回手をヒラヒラさせて俺は屋上を出る。
ラッシー君が何か後ろで言っていたような気がするけど果てしなくスルー。
俺は脳中にすんばらしい作戦を持って、教室にゆっくり向かうのだった。
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