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教室に戻った俺は周りの視線に不愉快と思いつつ、窓際最後尾という実に不愉快な席に座る。
そして、耳にイヤホンをつけ、iPodのスイッチを入れた。
脳内に浮かんでいるすんばらしい作戦を纏めるために一度頭を冷静にさせた。
さて、そろそろ纏めるか。
"脇役"
この作戦はこのワードがキーだ。
脇役とは主役を立たせるための存在。
だが、ラッシー君が俺の考えている目立たない存在、つまり影キャラを脇役と勘違いした通り、考え方さえ変えればそうなるだろう。
つまり、影キャラと脇役は近い存在なのだろう。
普通ならこれで「はぁん、そう言えばそうだねー」と言って終わることなんだが、俺はこれを別の方向で考えた。
まず結論から言う。
俺は今日から影キャラと脇役を合体させた"影の脇役"という存在になる。
"影の脇役"とは何か?
そんな疑問がどこからか聞こえてくる気がしないでもないから説明しよう。
"影の脇役"はただの脇役ではない。
脇役とは主役を助けながら物語を中心とはちょっとずれた位置で歩む存在。
それに比べ影の脇役とは、存在を周囲に気づかれずに主役を立てるという脇役の中でも影の薄い存在。
主役とは春風のこと。
俺は影のように裏で動き、すでに輝いているあのイケメソ君を更に輝かせる、ということが俺の目的。
つまりはこういうこと。
影の脇役こと俺が裏で春風をために動く
↓
裏で動くことによって今まで以上に春風を目立たせる。
↓
目立たせることで俺という存在を皆の心から薄くする。
↓
存在が薄くなっている間、俺はこれと言った目立つ行動はしない。
↓
行動しなければ、いつかは皆の心から消える。
↓
アイアムアメージング影キャラ。
おぉー、完璧。
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