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とりあえず、第一関門の挨拶を無事に済ませた俺。
あれだけ嫌な性格を演じきったんだから近づいてくる奴はいないだろう。
そう思っていたのもつかの間、ユサユサと俺の体を揺らしてくる奴がいた。
俺、狸寝入り状態に感じるけど実際は夢と現実の狭間。
つまり、後もうちょいで寝れた。
うん、これは、つまり、あれだな。
制裁だわ。
俺は顔を上げ、目の前にいた大罪を犯している者を目で捉えた。
「おっ、やっとおき…ブヘラァァァッ!!?」
とりあえず、こめかみ部分を的確に殴っといた。
「ミーのシエスタを邪魔することは罪に等しいネ。来世からやり直しなヨ」
そして、自分でもよくわかんないキャラを演じてみた。
影キャラを演じるのを忘れていたことを後悔したのは言うまでもない。
「おー、派手にやったね」
「むっ、新たな刺客か?」
俺は突然現れた超イケメンボーイに向かってファイティングポーズをとる。
「いやいや、刺客じゃなくて僕は春風颯人(ハルカゼ ハヤト)。で、そっちの倒れているのが矢部康夫(ヤベ ヤスオ)。よろしくね、一平君」
超イケメンボーイこと春風颯人が俺に向かって爽やかに手を差し伸べてきた。勿論俺はその手を握る瞬間に中指で奴の掌にぶつけ、無表情でこう言った。
「拒否」
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