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「うおー、さみっ」 ――午後11時 俺は病院を抜け出して河童の出る墓地に向かって歩いていた。 正直簡単には抜け出せないだろうと思っていたが、いとも簡単にあの白い部屋から抜け出すことが出来た。 病院のセキュリティーはどうなってんのかね、まったく。 まあ漫画じゃあるまいし、窓から逃げ出すなんて思わないよなあ…。 そう考えると俺ってすげぇな、おい。 「そんなことよりさみーな…」 俺はハァ、と息を吐く。 吐き出された息は白くなり、すぐに空気に溶けていった。 俺の記憶が正しければ、まだ11月のはずなんだけどなー。おかしーな。 これが噂の異常気象ってやつ? いやんなるねー。
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