終わりの始まり

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須藤拓真は折り畳み傘をさしながら、帰路へとついていた。 革靴の冷たい音をコンクリートに響かせて、こんな事を考えていた。 『あの時僕が死んでれば…』 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 末っ子の 七海 が一番美人だった。 幼いころからちやほやされて、甘やかされて育ってきた。 そのせいか二人の姉には冷たくあたった。 生意気な妹に不満を抱く姉達は、知り合いの博士にクローンの制作を依頼していた。 自分達にばかり雑用をやらせる妹なんか居なくなればいい。 だけど殺したら犯罪だ。 だから、自分達のクローンに、雑用をやらしておけばいいのだ。 そう考えた姉達は 今、白い建物に向かっていた。
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