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「いっそのこと失神でもしたいや。」
「失神…あ!」
何となくつぶやいた言葉に、美優は何かを思いついたようだ。
「もしかしたらぐっすり眠らせてくれる人がいるんだけど、試してみない?」
「え?それって怪しい催眠術師とかじゃないよね?」
あたしの言葉に今度は笑った。
「そんな知り合いいないし(笑)今日とかどう?」
「今日?別に平気だけど…。」
「じゃあそいつに連絡しとく。基本暇だし、たぶん女の子って言えば絶対来るから。」
そう言って簡単な地図と場所の名前を書いた紙を渡された。
授業終了の合図と共に帰り支度を始めるあたし達。
階段を降りながら美優は振り返って言った。
「本当に無理!って思ったらすぐ電話してね。」
「う…ん?」
「じゃ、気をつけてね。」
あたしは疑問だらけのまま、とりあえず紙に書かれた場所に向かうことにした。
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