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霧雨が降っていたが、髪もすでに濡れてるからと構わず自転車にまたがる。 緑のボディに黒のパーツのママチャリで、友人からは「虫」と罵られたが、個人的にはお気に入りだったので「バジリコ」と命名し大切にしている。 バジリコを競輪かというほど身を低くして高速に漕ぎ、見慣れた建物の前に11時の2分前に到着した。 駐輪場にバジリコをとめ、階段を2段飛ばしでかけのぼり、息も絶え絶えに3階にあるこじんまりとした事務所の前に立った。 「よかった…誰も来ていないみたいだ」 汗と霧雨のせいで、顔がぐちゃぐちゃだったがワイルドに湿った袖で拭った …どうせ後で直す。
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