0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
霧雨が降っていたが、髪もすでに濡れてるからと構わず自転車にまたがる。
緑のボディに黒のパーツのママチャリで、友人からは「虫」と罵られたが、個人的にはお気に入りだったので「バジリコ」と命名し大切にしている。
バジリコを競輪かというほど身を低くして高速に漕ぎ、見慣れた建物の前に11時の2分前に到着した。
駐輪場にバジリコをとめ、階段を2段飛ばしでかけのぼり、息も絶え絶えに3階にあるこじんまりとした事務所の前に立った。
「よかった…誰も来ていないみたいだ」
汗と霧雨のせいで、顔がぐちゃぐちゃだったがワイルドに湿った袖で拭った
…どうせ後で直す。
最初のコメントを投稿しよう!