始まりのカタチ

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滝口 司は、25歳の時、中学時代から付き合っていた美幸と結婚した。 なかなか子供には恵まれ無かったが、一家の主として戸建てを購入し、近所からも評判が良い亭主だった。 結婚して6年目に子供にも恵まれ、これから父親として張り切っていた矢先の事だった。 妻からの離婚の申し出。 原因は、司の浮気と妻は主張しているが、司には全く身に覚えがない。 どんなに司が主張しても妻の態度は変わらず、結果、家庭裁判に持ち込まれた。 幼い子の親権は、当然ながら妻にいき、そして、慰謝料の代替えとしてマイホームも取られてしまった。 司に残ったのは、家のローンと毎月支払う養育費だけだった。 妻と離婚後、新しく彼女が出来るが、結局、その彼女とも別れ、今では、再婚も諦め、会社と家の往復で1日が終わる。 そんな司だが、やはり男である。 性処理を1人で済ます事もあれば、ソープランドやヘルスなどで済ます事も多々あった。 初めは風俗の経験があまりない司にとっては新鮮だった。 ただ、慣れていくうちに身体は満たされても、心が満たされない事に気がつき始めていた。 そんなある日の事だった…
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