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『もうやめろ!』
『やめたいよ!のぞみ、援交やめたいよ!』
『違う!そうじゃない!
もう一人とか言うな!私はダメとか言うな!
俺がいる!だから、言うな!』
『えっ?』
『信じろ!何かあったら言え!その代わり自分を大切にしろ!』
のぞみは涙を吹きながら頷いた。
『一曲歌う!聞いとけ!
この曲は、本当に自信あるから!
今の子供達にも、この曲だけは好評なんだ!』
司はマイクを握り、涙を出るのを必死で堪えた。
(あ……この曲…)
流れてきた曲は、KANの『愛は勝つ』だった。
司が必死で歌う姿に、のぞみは安心からか司の肩に寄りかかった。
のぞみは疲れて寝たのかと司は思っていたが、のぞみを見ると涙を流していたので、起きているのは分かった。
けれども肩に寄りかけたまま、司はのぞみの為に必死で歌った…
のぞみの涙は止まらなかった…
しばらくして、落ち着いたのか、のぞみからは寝息が聞こえてきた。
司は、のぞみが寝たのを確認し、財布から約束のお金を取りだし、のぞみの鞄に入れた…
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