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「そうね、早く本題に入らないと人波君が帰る頃には日が沈んでしまうものね」
少なくとも帰る頃には日は暮れているだろう。
「ささ、中へ入って入って」
そうやって招き入れてもらった時だった。
「俺ァ出掛けるぞ、支部長」
達磨さんはこちらに背を向け階段を昇ろうとする。
「重さんも来て」
「んでだよ」
そう言いながら頭をポリポリとかく達磨さん。
支部長さんは、いいから来なさいと言葉を発する。
すると達磨さんは舌打ちをしながらこちらへ来た。
「ハァ、んで俺がいねェといけねーんだよ。たくっ……」
「アナタがいないと誰が人波君を送るのよ」
支部長さんに着いていく三人。
ぼくの横にいるのは、さっきの支部長さんの言葉に、俺じゃなくてもいいだろと悪態をつく達磨さん。
「達磨さんありがとうございます」
「たくっ……しゃーねーな」
お礼した。
頭を掻きながらぼくを送ることを同意してくれた。
「そこに座って」
と支部長さんは椅子を指差した。
「そういえば、私も着いて来てよかったの?」
そう言うのは水島さん。
それを言うのならここに来るまでに言ったらどうかとぼくは思った。
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