15人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいわよ、てかいなさい」
支部長さんはさあ座ってとぼくに言う。
「人波君、単刀直入に言うけど“魔を滅する者”へ入らない?てか入りなさい」
それがいいわと支部長さん。
やっぱりな、て顔をしているその他(ぼく以外)
拉致され簡単な話しか聞いてないぼく。
「えっ」
思わず声が漏れる。
「何か都合悪いの?」
「いや……悪くはないんですけど、“魔を滅する者”について詳しく知らないんですけど…」
横の席で居眠りし始める達磨さん。
枝毛探しをし始める水島さん。
「そんなもん単純よ。私たちの所で“魔”とされる悪魔を退治するだけよ」
「退治するだけですか……」
例えば今日の鬼面――確か小鬼≪ゴブリン≫だっけ?とかを退治するだけかな。
「退治する悪魔は今日の小鬼なんかよりも強いのが普通だからね」
ぼくの心を読んだかの様に言うのは水島さん。
小鬼より強いねぇ……めっちゃでかい鬼≪スーパーゴブリン≫みたいな?
「人を喰うような、殺すような奴が相手よ。まあ小鬼も人を殺せるけどね」
「そんなことはどうでもいいわ。入るの入るの?どっちなの?」
人を殺すようなのが基本な奴が相手なのにどうでもいいんですか……
「てか選択肢が入るしかないんですが……」
「だから入りなさいよ」
はぁと溜め息を吐く水島さん。
ぐぅぐぅと寝息をたて始めた達磨さん。
ブレイカーに無理にでも入れようとする支部長さん。
ブレイカーに無理にでも入れられさせられそうなぼく。
……今日はついてないな
最初のコメントを投稿しよう!