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「いや、いつも殴ったら消えるんだけど……」
「はぁ?」
話題を変えよう。
「それより君は誰?」
彼女は深く息を一旦吸い込んだ。
「悪魔退治専門機関“魔を滅する者≪ブレイカー≫”一三六五支部所属の水島 桜(ミズシマ サクラ)です」
それはそれは丁寧に言った。
「アナタは?」
相手に合わせ職業と名前を言おう。
「ぼくはただの高校生、人波 升(ヒトナミ マス)です」
携帯が鳴った。
ぼくのではない。
「ちょっといい?」
ぼくはコクリと頷いた。
すると彼女は少し離れ電話をした。
話は変わるが、彼女の着ている服はぼくの高校の制服だった。
ブレザーに校章が着いていた。
ついでに学校で見たような気もした。
というか同じクラスだったような……
話し終わったのか彼女は戻ってきた。
「待たせたね。ごめんなさい」
「いいよ」
定型的だとぼくは思った。
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