第1話 魔を滅する者

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そこにはビルがあった。 ただのビルだ。 「オイ、行くぞ」 運転席から降りた達磨さんは既にビルに向かっていた。 よくよく見れば達磨さんはとても厳つい。 服は金色のジャージで背中に龍の模様入り、履いてる物はサンダル、髪は丸刈り、極めつけにサングラスを着けている。 ……ヤ○ザみたいだなぁ そんなことを思いビルに入った。 ビルに入って前を見ればビルの受付嬢さんとヤク○さん……じゃなくて達磨さんと水島さんが話していた。 なんか怪しい…… 「オイッ!とっとと来いや……」 達磨さんが寄ってきた。 「そういやよォ、オメェ名前は?」 拉致った本人は自分が拉致した人間の名前を知らなかった。 「人波 升です」 「なら升、行くぞ」 チンピラみたいな歩き方で受付まで戻る達磨さん。 それに着いていくぼく。 「行くよ」 受付にいた水島さんが言った。 「桜ァ、仕切んのは俺の役目だろうが」 「こっちよ」 「無視すんなやッ!」 受付のある場所の奥―― 一般の人は使わなそうな場所に来た。 “立ち入り禁止” そんな立て札が立っていた。 こんな物があってもなくても、きっと人は入らないだろう。 そんな場所だ。 その立て札でちょうど隠れるくらい狭い通路がその先にあった 立て札を達磨さんは退け、行くぞとぼくに言う。 水島さんは達磨さんが立て札を退かした時に先に行っていた。 ちょっと行ったら扉があった。 水島さんはその扉の鍵を開けていた。 押したら開くタイプの様だ。 水島さんはこの先よと言って入っていく。 続いて達磨さん、ぼくが入っていった。 中には下へ続く階段があった。 うわぁぁぁと思った。
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