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そこにはビルがあった。
ただのビルだ。
「オイ、行くぞ」
運転席から降りた達磨さんは既にビルに向かっていた。
よくよく見れば達磨さんはとても厳つい。
服は金色のジャージで背中に龍の模様入り、履いてる物はサンダル、髪は丸刈り、極めつけにサングラスを着けている。
……ヤ○ザみたいだなぁ
そんなことを思いビルに入った。
ビルに入って前を見ればビルの受付嬢さんとヤク○さん……じゃなくて達磨さんと水島さんが話していた。
なんか怪しい……
「オイッ!とっとと来いや……」
達磨さんが寄ってきた。
「そういやよォ、オメェ名前は?」
拉致った本人は自分が拉致した人間の名前を知らなかった。
「人波 升です」
「なら升、行くぞ」
チンピラみたいな歩き方で受付まで戻る達磨さん。
それに着いていくぼく。
「行くよ」
受付にいた水島さんが言った。
「桜ァ、仕切んのは俺の役目だろうが」
「こっちよ」
「無視すんなやッ!」
受付のある場所の奥―― 一般の人は使わなそうな場所に来た。
“立ち入り禁止”
そんな立て札が立っていた。
こんな物があってもなくても、きっと人は入らないだろう。
そんな場所だ。
その立て札でちょうど隠れるくらい狭い通路がその先にあった
立て札を達磨さんは退け、行くぞとぼくに言う。
水島さんは達磨さんが立て札を退かした時に先に行っていた。
ちょっと行ったら扉があった。
水島さんはその扉の鍵を開けていた。
押したら開くタイプの様だ。
水島さんはこの先よと言って入っていく。
続いて達磨さん、ぼくが入っていった。
中には下へ続く階段があった。
うわぁぁぁと思った。
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