勇気を出して

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授業が終わりペンをしまっていると 「約束通り返却~」 「どおせまたかいたんでしょ」 純平から英和辞書を受け取りページをパラパラと開く 「今日は書いてないよ」 「嘘だ」 「嘘だと思うならこの目を見て」 言われた通り純平の目を見る 2人の視線が交わる 当たり前、なんだけどその当たり前のことに心臓が ドクンとはねあがる 私は思わず目をそらした 顔赤いの見られてないかな 「そこまで言うなら信じるけど」 「また忘れた時はよろしく!あっちなみに557ページ参照。俺からのメッセージ残しておいたから」 早口でそう言って純平は逃げるように去っていく。 557ページ とある単語に赤ペンで大きく丸がつけられている 単語の意味はばか、愚か、まのぬけた 「…なにこれ!」 辞書だからと油断していた 教科書とは違って落書きする部分も余白もないと。 だけどまたしてもやられた なんて本当は飛び上がりたいくらい嬉しい どんなものでも嬉しい
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