あの夏

離婚

夜死ぬな。夜明けを待て。

昔、読んだ小説にそんな言葉あったな。

8月に５年一緒にいた旦那と離婚した。

他に女ができたらしい。

慰謝料ちゃんと払うから別れてほしい。

この家も渡すから。

そんなことで私は納得しなかった。

泣き叫んで止めた。

謝って止めた。

必死で止めたけど

旦那はそんな私に一言いった。

「おまえのことは愛してない。」

５年も一緒にいて

今さらそんな言葉って

私はしがみついていた旦那の腕を

力が抜けて離した。

旦那は大きな荷物を持って出ていった。

離婚届は受理されて

私はバツイチになった。

子供つくっておけばよかった。

今さらそんなこと言っても仕方ない。

あたしはしばらく毎月振り込まれる慰謝料で生活をしていた。

ピンポーン

家のインターホンが鳴る。

あ、美佳だ。

駅前でスナックを経営している友達の美佳が遊びにきた。