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私は慌ててドアを閉めようとした。
「おっと。」
その男はドアに足を挟んだ。
「やだ、なにあんた!!」
「俺は美佳さんに頼まれて来てるの!開けろ!」
「やだやだ!だって部屋汚いし!髪ボサボサだし!化粧してないし!」
「だからそれを直しにきたんだよっ!」
「え?」
私が怯んだ隙に男は玄関に私を押しのけて入ってきた。
「ちょ、ちょっと!!」
男は家の中にズカズカ入っていった。
そしてリビングで足を止めた。
「・・・きったね~・・」
「え?」
リビングはゴミの山。
台所は洗い物と生ごみ。
離婚してから片付けてない部屋。
「・・・・・・・・」
「美佳さんが言ってた通りだ。俺の出番だ。おい、あんたも手伝え。」
「え?」
「え?じゃない!早くしろ!」
その男は掃除し始めた。
私も慌てて片付け始めた。
「はぁっ。ゴミ袋15個かよ。よくこんだけ散らかしたな。」
「・・・・・・・・」
台所やリビングが離婚する前に戻った。
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