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私と娘はなかなか絡みは深くはなれずにいたが、楊枝と私は日を追うごとに仲良くなった。
そんなある日、いつもの李と鈴との会話の中で、「楊枝とやらを見てみよう」という流れになった。
理由は何度となく私の話の中に楊枝の名前が出たから。
「で、楊枝って人は面白い人?」
李がいうものだから、私は声を軽く荒らげて
「面白いよ!ただいつも飲んでたり、ふざけてるけど…よく考えるいい子」
年 上であるということを自分に念じながら喋るのはもう慣れてきた。
ただ、こうして話していくうちになんだか、嫌な予感がしてきた、今日このごろ。
「んじゃ しゃべってみるといいよ」
と言いながら不安を払拭するように、通話の中に楊枝を投入した。
「…もしもし…」
あ…ちょっと不機嫌…
今さらの後悔。何の前触れも無く通話に投入したことに腹を立てているのだろうか…
「ぇりこ…?」
「あ…もしもし!? 楊枝ゴメンね~?ww今ちょうど楊枝の話してたから突っ込んじゃったw 迷惑だった?ww」
「…いんや…寝てた…」
確かに楊枝の声は元々低くかすれてるのに、寝起きのせいかもっとかすれて聞こえていた。
「楊枝さん、こんばんわ。鈴ですw」
「楊枝お初」
「えっと可愛い声の方が鈴でなんだかそっけないのが李だからw」
紹介もほどほどにすると、楊枝は元から社交的なのだろう、すぐに打ち解けていた。
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