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三人で酒を飲み始めると、時間はすぐに過ぎて行った。
六条は、魔之王の相撲の話に興味があるのか質問を何度も繰り返す。
魔之王は、その質問に一つ一つお得意のスモウジョークを交えながら丁寧に答えた。
ラエルは、理解しているのかわからないが六条の隣でニコニコと笑っている。
会話の途中にも魔之王の視線とラエルの視線が、何度か絡み合い、その度に魔之王の胸が激しく高鳴る。
「今度、相撲を見に行きたーい」
と言う六条と魔之王は、ケータイの番号を交換し合った。
ラエルと魔之王が、番号を交換しあう事はなかった。
六条とラエルの分も料金を払い“スナック斉藤”の外に出る。
六条とラエルは
「ごっつっぁんですた! 」
と礼を言って頭を下げた。
その日は、二人とそれで別れた。
魔之王は、次の日から何時もラエルのニップレスの事ばかり思い出すようになった。
「またニップレスに会いたい」
それだけを強く思う毎日……
ある日、魔之王は自分の巨体から溢れ出してくる想いに耐えられなくなり、六条に電話をかけた。
またニップレ……ラエルに会えるかも知れない。
魔之王の分厚い胸は、その日を思うだけで高鳴った。
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