20人が本棚に入れています
本棚に追加
「喝破山関…?ラエルの事を何か知ってるんすか!?」
魔之王の問い掛けに喝破山は青ざめた顔を歪ませ
「いや、知らん!!知らんよ!!!」
手首が千切れてしまうのではないかと言うほど両掌を左右に振りながら、逃げるように去って行った。
ただ事ではない喝破山の態度に、付き人達が急いで後を追う。
ぎゃぁーーーーーーっ!!
女将さんの叫び声が響いた。
尋常ではないその叫び声に魔之王は稽古場を飛び出した。
暖簾を潜ると、腰を抜かし手を足代わりに後ずさる女将さんの姿が目に飛び込んできた。
「女将さん!!どうしたんでごわすか!!」
「あ…アレ…あれ…」
震える指先が差したのは喝破山関専用の部屋。
廊下と部屋を遮る襖の前に、付き人達が唖然とした表情で立ち尽くしていた。
魔之王はただならぬ雰囲気を察知しながらも、喝破山関専用の部屋へ近づく。
付き人達をかき分ける…
そこには、喝破山の無残な姿が横たわっていた。
最初のコメントを投稿しよう!