お嬢様、お目覚めの時間です。

4/5
前へ
/64ページ
次へ
決してメイクに2時間もかからないし まして自分で言うのもなんだが私は美人だ。 けれどこの男は、黒縁メガネの奥から笑いを堪えきれないように瞳を揺らしながら肩をふるわせているのだ。 「岡崎!!毎日毎日主人に失礼なことを言っていいとおもってるの!?」 私も負けてはいられない。 「何をおっしゃいますお嬢様。私の言葉にはお嬢様への愛がこもっております。ですから失言だなんてとんでもございません。」 そう言いながら営業スマイルを振りまく彼をクビにできないのも私の困ったところだ。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加