1 参加権

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さて、どうしたものか。 この場でオレがどんなに言葉を尽くして説得したところで、当日になればえりんはのこのこと会場まで出向くことだろう。 紙に記されていた説明会の日付は来週の日曜日。 もちろん阻止することはできる。オレの口からおばさんたちに打ち明けてしまえば、その日だけでもえりんを拘束してもらえるはずだ。 だけど―― 両親に話せないことを、悩んだ末にオレに打ち明けてくれたえりんの気持ち。 それを汲んでやりたくなってしまうオレはたぶん、こいつを甘やかしているのだろう。 それに、えりんの「望み」は恐らく…… 「……分かった。止めない。ただし、オレも一緒に行くぞ」 「え?」 「説明会。行くんだろ? お前一人じゃさすがに不安すぎるから、オレも一緒に行く。それで話だけ聞いてみて、ヤバいと思ったらすぐに帰る。それでいいな」 「いいの?」 「しょうがないだろ。オレもまあ……気にならないでもないし。付き合ってやるよ」 「ありがとう!」 「おわっ!?」 胸に抱えたクッションごとダイブされ、油断していたオレはものの見事に押し潰された。 躾のなってない大型犬のような女は輝かんばかりの笑顔。 「オト大好き!」 分かった、分かったからとりあえず離れろ。さすがにこれは恥ずかしい。
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