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―――……めよ……い……。
「ん……んぅ~」
俺を起こそうとする声が聞こえる。
誰だ? 母さんか……?
―――目覚めよ、零……。
ごめんよ、母さん。もう少し寝かせてくれ。
もう受験も終わったことだし、ゆっくりしててもいいだろ。
そう思って、俺は目を閉じようとする。
しかし―――
「さっさと起きんかあぁぁぁああああ!!!」
「うおあっ!?」
突然の怒鳴り声に、俺―――立花零は飛び起きた。
一体何事?
混乱する俺に、明るく高めの声がかかる。
「やっと起きたか。よう眠っておったのう」
声の持ち主は、サラサラとした薄い金髪を肩まで伸ばし、宝石のようにキラキラ輝く緑の瞳を持った、10歳程の子供だった。
おそらく少年だと思われるそいつは、天使のような笑顔で俺の目の前に立っていた。
「思ったより元気そうで何よりじゃ。良かった良かった」
……随分爺臭い喋り方をするガキだな。
「余計なお世話じゃ」
そんなにぷっくり頬を膨らませて睨んでも怖くないし、俺はショタコンじゃないから何とも思わんぞ。
つか、こいつ誰だ? 外国人っぽいけど……。
そしてここは何処だ? こんな真っ白な空間、どう見ても俺の部屋じゃない。
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