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そうか……。俺は死んだのか……。
同じ毎日の繰り返しに、退屈だ退屈だと不平不満を言っていた罰でも当たったかな。
……いや、待て。待て待て。
よく考えたらおかしな点が幾つかあるぞ。
まさか……。
俺は考え込んで俯けていた顔を上げ、神を見た。
「おい。お前が神だってことは認めてやる。が、幾つか俺の質問に答えろ」
「な、何じゃ?」
神は肩を揺らして先を促す。明らかに挙動不審だ。
「まず1つ。何で神なんて偉い奴が、一介の死人の前に現れる? まさか、死人が出るたびに1人1人に会っている訳じゃねえんだろ?」
「うっ……」
「2つ。ここはお前が即席で作った異空間だっつったな。何で死んだはずの俺は天国とか地獄とか死後の世界でなく、こんな所にいるんだ?」
「うぐぅっ……」
神はダラダラと冷や汗を流している。
どうやら俺の予想は当たっているらしい。
しばらく視線をさ迷わせていた神は、観念した様子で口を開いた。
「その、じゃな。実は……」
「俺の死はお前のミスで、本来ありえなかった事なんだな?」
「な、何故それをっ!?」
驚いた神の言葉に、俺の何かがプツンと音を立てて切れた。
「んなもん似たような話を携帯小説でいくつも見てきたからに決まってんだろおぉおがああぁぁぁああ!!! どうしてくれんだよ!! あの地獄のような受験勉強の末、やっとこさ大学合格したのにそれが分かった途端死亡って、それどうよ!? しかもそれなりにレベル高い大学だったんだぞ!! 無茶苦茶やり切れねえよ!!」
怒り心頭の俺に、神は泣きそうになりながらペコペコ頭を下げる。
「す、すまぬ! こんなことで償いになるとは思っておらんが、お主を特別に転生させよう!」
「当たり前だ!」
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