序章 遅刻

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 私は指紋確認をするために、機械まで歩いて向かう。  そして、機械に指で触れる。一致したのか、機械の横にいる女性が通らせてくれた。  一階には、たくさん強い人達がいるから、襲われても心配ないだろう。相手が余程、強くない限り。  エレベーターの上のボタンを押して行く。  四つもあるから、楽だ。  左から二つ目のエレベーターが開く。  私は乗り込み、七階のボタンを押す。  七階~九階は、自由な場所。色々と揃っている。  私は七階にいつも行く。  エレベーターが止まり、私はエレベーターから出る。  やはり沢山、人がいる。 「一秒遅刻だよ! サクラ」  友達の平井桃香(ひらいももか)が怒りながら、歩いてくる。  私と同い年だ。  一秒ぐらい変わらないよー。 「春も待ってるよ」  ソファーを指差して言う。  見慣れた、男性がいた。  名前は大谷春(おおたにしゅん)。私より二歳年上。 「ごめんねー? 寝坊しちゃって」  頭をポリポリと掻きながら言った。
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