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に柔らかな髪、穏やかな雰囲気、整った顔。それのせいで沙世は雪音をいじめていたのかもしれない。憶測でしかないが。
「なんか、情けないな。俺だけ何も出来ないでいて。」
石川はそう言って三人を見た。
「俺らに付いて来ただけ、偉いだろ。普通だったら沢田達からの仕返しが怖くて一緒に来ないぞ?」
「そうかな……でも、ありがとう。」
穏やかな表情になる石川を見て香緒里は微笑み、その後スケッチブックを広げる。
「しっかしさ、見たか?あいつらの顔。」
「悔しそうな顔してたよね。」
「ね。」
「怖かったけど、ちょっとすっきりしたかもな。」
「ざまーみろ、だな。なんでもあいつらの思い通りに行くなんて大間違いだっつーの。」
秀人が言い、他の三人も頷き、その後顔を見合わせて笑った。理由があったわけではないが、何故かおかしかった。
そして、心強かった。一人じゃない、そう思えたから。
ありがとう、と香緒里はもう一度呟いた。
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