5.リンチ

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は、最悪だな。」 「ね。香緒里もやり返せばよかったのに。」 香緒里は少し困った顔して笑った。 「まぁ本来なら、私一人でも何とかなるレベルなんだけど…さすがに女子に手をあげるわけにはいかないし。」 「でも、吉崎さんはやられたんだから…」 「それはそうなんだけど―――」 「空手の黒帯だから、下手したら怪我させちまうって?」 香緒里の言葉を引き取って、新谷が続ける。 「黒帯?」 「香緒里が?」 「新谷、何で知ってるの?」 「俺に知らないことはねぇもん。」 あっさり答える。 「あっそ。」 「えっ黒帯とかすごいね!」 「小さい頃から、やってただけだよ。」 「ま、何にしろ。これで終わるわけにはいかなさそうだな。」 新谷はそう呟き、窓の外の空を見つめた。
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