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は、最悪だな。」
「ね。香緒里もやり返せばよかったのに。」
香緒里は少し困った顔して笑った。
「まぁ本来なら、私一人でも何とかなるレベルなんだけど…さすがに女子に手をあげるわけにはいかないし。」
「でも、吉崎さんはやられたんだから…」
「それはそうなんだけど―――」
「空手の黒帯だから、下手したら怪我させちまうって?」
香緒里の言葉を引き取って、新谷が続ける。
「黒帯?」
「香緒里が?」
「新谷、何で知ってるの?」
「俺に知らないことはねぇもん。」
あっさり答える。
「あっそ。」
「えっ黒帯とかすごいね!」
「小さい頃から、やってただけだよ。」
「ま、何にしろ。これで終わるわけにはいかなさそうだな。」
新谷はそう呟き、窓の外の空を見つめた。
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