第一章 悪魔殺し

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俺が掃除をする神崎神社は、この世に迷い込んだ霊の成仏から、悪い霊の魂を封印するなどなどの仕事を持つ神社で、そこの神主である俺の父は、霊媒師の中でも名を知らない者はいないとまで言われた男だ。 そんな偉大な父を持ちながら、俺には霊の足すら見えない。いや、霊には足がないのかもしれないが……とにかく俺には霊感がない。 そして、この家で霊が見えない人間は、一言で言うと役立たず。まさにこの神社で役立たずの代名詞と呼ばれるのが俺な訳である。 「あれ?さっきまでここに干してた洗濯物は?」 ふと洗濯物が気になり、庭に行ってみたのだが、あったはずの洗濯物が消えている。幽霊のいたずらか?と周りをきょろきょろしてみたりするが、幽霊らしき姿は見えない。 見えない体質なのだから当然だ。 ただ幽霊のかわりに、無惨にも洗濯物が水たまりに落ちている光景が目に入った。風に飛ばされたみたいだ。
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