第一章 悪魔殺し

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双葉は俺の顔を覗き込んでニヤリと笑う。不気味だ。何か企んでやがる。 俺と双葉は小二くらいからの付き合いで俗に言う幼なじみだ。付き合いの長い俺には、こんな仕草で分かりたくない事が分かってしまう。 「あたしが洗濯物代わってあげる」 意味ありげな表情を浮かべて双葉が俺に詰め寄る。 「何かあるだろ?」 双葉が自分の利益にならないことをするはずが無い。必ず裏がある。 「分かってるじゃん」 きっとマンガ買って来いとか、くだらないことだ。双葉は俺に小銭を渡す。俺は手の中で金属がこすれる音を聞きながら双葉に視線を戻した。
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