ヘル・バック~翠~

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しばらく戦って、だいぶヒトが減ってきた。 群れの中心で戦うのは光鋭早苗。 見えざる腕の無限の攻撃。 そして天白翠は、拳銃を撃ちながら蹴りを繰り出す。 それは一種の銃弾、ヒトの体の一部を抉る。 「ハハハッ!!」 楽しそうに笑うが、目の前にいたはずのヒトが消えた。 「…なぁんだ、つまんない」 顔に付着した血を、袖で拭う。 辺りは血、骨、内臓。 その中で可愛げに笑う翠。 その姿は正に狂気。 そんな時に、そこに翼が舞う。 漆黒の翼が落ちた。 「終わりましたね」 窓から、翼を羽ばたかせてミールが入って来た。 「早苗さまがいましたか…そういえば、コレ」 ミールの持つのは一つの杯。 その中にはコイン。杯の中には血。 「おそらく召還か儀式か…」 なるほど、と頷く翠。 ふと、早苗の傍までよって、手を取る。 驚いたような表情を見せる早苗。 「今日の晩御飯はすき焼きだよ」 「え?」 疑問を生むのは当然。 何を言っているかわからない。 「とりあえず、今日からウチで良いよ」 天白翠は笑う。 一礼して、早苗も少し戸惑いながら笑顔を見せた。 「あ、ありがとうございます」 ぎこちなく一礼してみせる早苗。 そうして、天白翠も鍵を自分の手に掴んだ。
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