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とある街角。
深夜2時。
ちょっとした光と共に、一人の少女、ではなく青年が現れた。
彼は男性だが、その撫で肩や顔を見ていると男性には見えない。
「ちっ…ようやく帰ってきたぁ
疲れたような表情でため息を吐くと、大きく伸びをする。
「アイツは一緒じゃねぇのか」
青年は口元に笑みを浮かべた。
ボサボサの長い黒髪を後ろに払う。
両の目は完全な漆黒。
「ヒヒャハハ…さて、面白い事もなにもねぇしな、どうするかなぁ」
ワイシャツにネクタイ。
ジーパンにベルト、腰の後ろに二挺の拳銃。
紅と白のデザートイーグルは夜の闇に煌めく。
「だぁ、疲れた…やば」
電柱に背を預ける。
眠そうな目つき、フラフラとおぼつかない足取り。
「眠い、死ぬ…だぁ、めんどくせぇ…ここどこだよ」
不意に足の力が抜けた。
冷たいアスファルトが心地良い。
電柱を背もたれにしたまま、彼は今にも眠りそうにしている。
「…眠い」
意識が削ぎ落とされた。
彼が落ちてから数分も必要無く、足音が聞こえた。
そこに一人の女性が通りかかる。
見るからにOLという服装の女性。
「あれ…この人は」
女性は、辺りを見ると青年に近づいた。
第一歩だ。
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