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依頼を了承してからすぐに、ミールが階段を下りてきた。
待ってましたと言わんばかりに女性が笑う。
「さて、依頼だよ」
そう言うと、ミールは聖女のように微笑んだ。
二人の可憐な女性。
この店には似合わない些か似合わない二人。
「さぁ、翠さま、どうします?」
女性、天白翠は髪を後ろに払った。
二人は部屋の右と左に移動する。
角には服掛け。
ミールはその服掛けに掛けてある白いローブのようなものを羽織る。
翠も、服掛けに掛けてある真紅の色をしたロングコートを着る。
黒い髪が華麗に舞い、紅い瞳が爛々と輝く。
翠はさらに、机の上に置いてある二挺の拳銃を取り、手の中でグルグルとまわし背中のホルダーに入れた。
ミールは机の上にあった髑髏の連なったペンダントをその手に持つ、
「さってと…イカれたパーティーでも初めに行こうか?」
「そうですね、今日の晩御飯はすき焼きですから」
「ホント!?急がないと!」
二人は、店の扉を開け放ち、外に出た。
「さってと、この世の地獄でもお披露目しましょうか!」
その店には二人の女性。
黒い羽だけが、其の場に残った。
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