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(何なの?あの人。あの壁は後宮と外朝を隔てる壁じゃない)
男が隠れた茂みを探ると、壁に抜け穴がある!生い茂った植物のおかげで外からも内側からもあたかに何もなかったように見えていたのだ。
(なんでこんなところに抜け穴が?)
その穴を通ると、後宮の一番外れの部屋が目の前にある。
しかし不思議なことに侍女の一人もいない。
長い間掃除されていないのだろう、廊下はほこりだらけである。
その埃の上に、男の大きい足跡が部屋まで続いている。
この部屋は確か…!
不吉な不安を抱えながらも、部屋を覗こうとすると、中から声が洩れる。
「黄貴妃様、し、失敗してしまい、も、申し訳ありませぬ」
「あの女…その娘もだ!なぜ死ななかった。確かに毒を飲んだのだろうな!」
「はい、ど、どうやら生命力は強いようで…」
「ふん、まあいいわ。いずれ殺してやるわ」
「お、恐れながら…黄貴妃様っ…。毒薬と一緒に盗んだ、び、媚薬の方はどうするおつもりで?」
「ああ、あれね、陛下をおとそうとして盗ませたけど…、あの女が倒れている間もちっとも後宮に来ない。男はそんなにガマンできるものなのか?慰めのために後宮へ来ると思っていたのに」
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